自営通信と公衆網(災害時の通信確保について考えて見ましょう)
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自営通信と公衆網(災害時の通信確保について考えて見ましょう)
近年大型化する台風、冬の豪雪、頻発する地震。
自然災害の多い日本に住む私たちは様々な災害に対応していかなければなりません。
安否確認・被災状況等、災害時における通信確保は重要な問題となります。
自営網(Private Network)と公衆網(Public Network)
【公衆網】とは
我々が普段、利用している通信網は【公衆網】と呼ばれています。
公衆網は一般的に電気通信事業者が提供するネットワークで固定電話:携帯電話等があります。回線を不特定多数の人と共有をして利用しています。
東日本大震災時には固定電話:携帯電話は大規模な通信障害を回避するために通信制限を行いました。携帯電話の音声通信制御率は最大95%にもなり通信がしにくい状況が続きました。但し、データ通信においては非制御に近い数値となりました。
【自営網】とは
自分たちが構築し利用するプライベート通信網です。
最近ではローカル5GやVPNがあげられます。
自営網を構築する上で問題となるのが費用です。大容量・高速データ転送ができる
ローカル5Gは現在注目の的になっています。設備をIoT化し平時でも利用できる工場等では導入するメッリットがかなりあると思われますが高額なコストが必要となります。
災害時の通信
災害時の通信を確保することは非常に大事なことですが、残念ながら全ての災害に対応できる通信機器はありません。災害の規模や種類・場所によって被災する設備が異なってくるからです。
衛星携帯ならとよく言われますが衛星携帯も地上の設備(関門局)が被災すると利用できなくなります。当然、通信量も多くなるので輻輳が発生すると予想されます。
それでも、災害時に利用できる通信機器は用意しなければなりません。
その例を紹介していきます。
共同利用型自営無線 【MCAアドバンス】
MCA無線は多くの災害活動で利用された実績の高い自営無線システムです。
一般財団法人移動無線センターが構築しました共同利用型の自営無線網です。
最新のシステムは、独自のLTE化されたMCA無線網とNTTドコモのLTE網をプラスし通信を二重化したハイブリット形になっています。
MCA無線は加入者だけが利用できるので公衆網と異なり通信の輻輳しにくい安定した通信サービスを受けることが可能で、通信設備を構築しなくても利用できます。
新たにサービスが開始された【MCAアドバンス】は音声だけではなく動画や画像を送ることが可能になっており直感的に被災状況を確認することができます。
IP無線
IP無線は公衆網を利用する無線機ですが東日本大震災時に制御されていないデータ(IP網)で運用されています。高い信頼性と利便性から鉄道・航空会社・一般企業でも多く採用されています。音声・動画・画像の通信が可能でWI-FIの利用も可能です。
簡易無線
数多く利用されている簡易無線機ですが、免許を受けて使用する無線機は通信できる目的が規定されています。簡易無線で通信できる目的は簡易な事務又は個人的な用務を行うために利用できることであり、人命・財産維持には利用できません。
しかしながら、(地震・台風・洪水・津波・雪害・火災・暴動その他の非常事態が発生し又は発生するおそれのある場合において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときは非常通信として利用することができます。
(*簡易無線を非常通信目的には開設はできません。)
通信距離は都市部と地方では通信距離に差がでますが最大で10km位になります。
特定小電力無線
特定小電力無線はインカムと呼ばれることの多い無線です。
無線免許が必要のないので手軽に利用できます。通信距離は~200m位で町内会や幼稚園などの限定したエリアで使用する場合にはお勧めです。置型の特定小電力機もありますので屋根等にアンテナを設置することでより広い範囲もカバーすることもできます。
まとめ
災害は突然やってきます。日頃から災害に対する用意をしておくことが重要です。
非常用通信機器は、直接命を守ってくれませんが救助・復旧には欠かせないアイテム
です。目の届く場所に設置し定期的な訓練で使い方を覚えてください。
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